第1回 音楽って?
さて、そもそも「音楽」って何なんでしょう?
クラシック、ポップス、ジャズ、テクノ、民族音楽、現代音楽・・・
これらは「音楽」という言葉でくくることができます。
こういった音楽の違い、あるいは、共通点ってなんでしょう?
一番、根本的なところから考えますね。
音楽は音からできています。
でも、音=音楽ではないような気がしますね?
じゃ、音と音楽の違いってなんでしょう?
問題です。
例えば、猫がピアノの鍵盤の上に飛び乗って、バーンって音が出たとします。
これは音楽でしょうか? だだの音でしょうか?
「でたらめな音だから、音楽じゃないよ」と答えた人にききます。
例えば、その時、たまたま、「猫ふんじゃった」のメロディーになったとしたら、
それは、音楽でしょうか?
これも、人によって答えはちがうと思います。
「メロディーになってるから音楽じゃない?」
「メロディーに聞こえるけれど、騒音だよ。
近所の子供の練習するピアノの音も、音楽っていうより騒音って気がする」
「音楽である」と「音楽でない」の違いは何でしょう?
それを決めるのは人です。
音が音楽になるとき、そこには必ず、人がいます。
つまり、あなたが、「音楽である」と言えば、
あるいは、他の誰かが「音楽だよ」って言えば、
それは、音楽なのです。
だから、ある人にとって、音楽であっても、
他の人にとっては、音楽でない場合もあります。
いいですか?
あなたが、音楽である、と言えば、他のだれ一人、
音楽ではないと言っても、それは、音楽なのです。
これは、大事なことです。
雨や、風や、川の流れる音、工事現場の騒音、息する音、心臓の鼓動・・
あなたが、音楽と感じれば、それは、音楽なのです。
一般の音楽の定義は、時代とともに、人の価値観と共に、変わっていくものです。
そのことをふまえた上で、私たちが一般的に言う、
「音楽」というものを、考えていきたいと思います。