のあのあ仙人の音楽講座 第14回

第14回 コードって?

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 今回は、コードの話です。

 コード、というのは、和音のことです。

 同じ「C」でも、
「ド」という単音を表す場合と、
「ドミソ」という和音を表す場合があります。


 コードの場合、単に「C(シー)」と言っても、
 それは、「Cメジャー・コード」を略した言い方です。

 ちょっとまぎらわしいので、
 例えば、この「ドミソ」という和音のことを、

「シー・トライアード」 

 と呼ぶこともあります。

「トライ」は「トライアングル」の「トライ」と同じ意味で、
 3、ということを表します。

 トライアングルは三角形ですよね?
 そんなふうに、
 三つの音でできている基本のコードを
「トライアード」と言うこともあります。
 軽くおぼえておきましょう。


 ポップスとクラシックの譜面の大きな違いに、
 このコードがついているかどうか、
 というのがあります。

 なぜ、クラシックの譜面にはコードがなくて、
 ポップスの譜面にはコードがついているのでしょう?


 多くのクラシックは、
「対位法」という音楽理論を元に作られています。

 それは、例えば、
 主旋律(メロディー)がこう動けば、
 ハーモニーはこう動くと気持ち良い響きになりますよ、
 ということを厳格に決めた理屈で、
 音の組み上げ方が、考え抜かれて作ってあるため、
 勝手に変えることは、
 作曲者に対して、失礼になるわけです。

 けれど、その「対位法」にも、
 結構、よく出てくる進行があって、
 それを伴奏パターンとして、
 ある程度の固まり(例えば、1小節なり)ごとに、
 くくって記号化したのが、
 コードである、と考えられています。


 ポップスの場合、
 和音が記号化されているので、
 例えば、「C(ドミソ)」の場合、
「ドミソ」でも「ミソド」でも「ソドミ」でも、
 音の順番が入れ替わっても、
 同じ「C」として、扱われます。

 つまり、「C」というコードがあった場合、
 その音の積み方は、ある程度、演奏者が勝手に決めてもいいよ、
 というぐあいになっているんですね。


 このコードが音楽制作の主流になることによって、
 音楽が大量生産されるようになります。

 それほど、音楽を専門的に勉強していなくても、
 コードにメロディーを乗せることで、曲ができるので、
 若い感性が音楽の世界になだれ込み、
 レコードの出現も相まって、
 ロック、ポップス、フォークなどの
 若者中心の音楽の世界になって行きます。

 その頃クラシックはどうなっていたかといえば、
 どんどん発達して、和音も複雑になりすぎて、
 一般人には、もう理解できないようになっていました。


「自由さ」と「わかりやすさ」と「カッコよさ」

 それが時代と重なって、
 ポップスやロックが世界の音楽の主流に
 なっていったんですね。


 次回は、コードに関して、
 もう少し、詳しく解説していきたいと思います。


※参考文献「東京大学のアルバートアイラー 菊池成孔+大谷能生著」「音楽の正体 渡邊健一著」






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