第42回 テンション
さて、裏コードについて書こうと思っていたんですが、
それを説明するにあたって、
テンション(tension)
ということを今までちゃんと説明していなかったことに気がつき、
ちょっと、一旦、話題をそちらの方へ移しますね。
ポップスやジャズ系の譜面のコードの横に、今まで、ここでとりあげてきた
7とかM7(または、△7、maj7)の他に、
9とか11とか13とか、
あるいは、それに♯(シャープ)や♭(フラット)がついたもの
を見たことがありますか?
それらは、ルート音から数えた距離で、
9度(9th、ナインス)、
11度(11th、イレブンス)、
13度(13th、サーティーンス)
の3つを
テンション(tension)
と呼びます。
テンションというのは、「緊張」という意味で、
これらの音が入ってくると、
コードの響きに、ある種の「緊張感」、が生まれるんですね。
さて、9度、11度、13度とは、どの音でしょうか?
こう見ると、
9度は2度と
11度は4度と
13度は6度と
それぞれ同じになりますね?
では、なぜわざわざ数えにくい大きな数字で表すのでしょうか?
ひとつには、大きな数字なので、
それを上の方に持ってくるという意味もありますが、
7th(あるいは、M7th)
が入っているかどうかがポイントになると思います。
これは、C13の押さえ方の一例ですが、
下から7th、3rd、13th
となっています。
これが、7thを抜いて、
となると、C6と表される場合が普通のようです。
※「普通」というあいまいな言い方は、コードの表記そのものにあいまいなものがあるからです。
コード表記というものはあくまでも音楽をすばやくあわせるための記号で、
前後の関係などから同じ音でも書き方が変わったり、
テンションなどが書かれていない場合でも、プレーヤーの判断によって
音が加えられたりすることがよくあるからです。
次回は、そのテンションが変化したオルタード・テンションについてです。