第3回 チューニングって?
演奏をする前に、例えばギターならば、
それぞれの弦の音の高さを調整する
「チューニング」が必要になります。
自分の演奏する楽器だけでなく、一緒に演奏する人と音の高さをそろえる。
それも、また「チューニング」です。
バイクとか車とか機械類を調整することもチューニングといいますが、
音楽では主に、「音の高さの調整」という意味で使います。
曲が始まる前に、オーケストラが「プア〜ン♪」と音を出しますよね?
「チューニング」をしているのです。
チューニングには、基準があります。
A=440Hz
Aは音名で、前回のドレミ〜で言うと、ラの音になります。
Hzはヘルツ。
ヘルツは、1秒間になにかが振動する回数を表します。
音は空気の振動なので、空気が1秒間に振動する数。
ラの音を、1秒間に440回空気が振動する音の高さにすること、
それがチューニングの基準です。
この基準が、絶対か? というとそんなことはないのです。
最近では、コンサートピッチと言って、442Hz〜444Hzあたりで
チューニングすることが多いようです。
そして、年々、そのピッチ(音の高さ)が高くなっているようなのです。
A=440Hzが決められたのは、20世紀になってからです。
モーツァルトの時代では、チューニングは420Hzぐらいだったそうです。
これは、今の基準よりも半音ぐらい低いんですね。
ちなみに、ヘビメタ系では、半音下げたチューニングにすることが多いのですが、
何か関係があるんでしょうか? ちょっと興味がありますね。
ポップスやロックのバンドなども、高めにチューニングすることもありますが、
チューニングが簡単に変えられない楽器、
例えば、生のピアノがあれば、それに合わせます。
アマチュアのキーボードなど鍵盤楽器系の人は
日頃チューニングという操作をあまりしないので、
そういうことにあまり関心がない人が多いような気がします。
ピッチの変更に対応できるように、
機材のチューニングの方法はチェックしておくのがいいでしょう。
チューニングがきれいに合っているバンドは、
それだけで、レベルが1段も2段も高く聴こえます。
しっかりチューニングする。
それは、デートの前に服装の乱れをチェックするように、
演奏のための音の身だしなみを整える行為であると言えるでしょう。