第9回 12音階のなぞ
私たちが普段聴いている音楽は、
12の半音階の音からできています。
鍵盤のドから次のドに行くまでに、
白鍵、黒鍵合わせて、12コありますね。
それが、音楽の最小単位になります。
その最小単位から、
例えば、ドレミファソラシドという
メジャースケール(長音階)ができています。
なぜ、12コの音になったのでしょうか?
音楽では、オクターブの音(つまり、高さが違う同じ音)の他に、
五度の音が、最もきれいに響きます。
理論書で、五度が「完全五度」となっているのがこのためです。
(四度は逆に見れば、五度と同じになります)
つまり、ド(C)から言えば、ソ(G)の音が五度上の音になります。
人間で言えば、最も気の合う、親友とでもいった感じでしょうか?
そして、ソ(G)から言えば、レ(D)の音が、
レ(D)から言えば、ラ(A)の音が、五度上の音になります。
同じように、
A → E → B → F#(G♭)→ D♭ → A♭ → E♭ → B♭ → F →C
と、五度を積み上げていくと、また、ド(C)に戻ってきます。
こうして、全部で、12の音ができるのです。
親友の親友と、めぐっていって、
また自分に戻って来て、
12人の友達の輪ができたわけです。
この12人の友達によって、
メロディーとハーモニーが
つまり、音楽が作られるのです。
ところで、ここで不思議なことが起こります。
完全五度を積み上げて戻って来たド(C)の音は、
始めのド(C)の音と少しずれているのです。
この、ズレを「ピタゴラス・コンマ」と言います。
そうです、ピタゴラスの定理のピタゴラスです。
数学者のピタゴラスが音楽に関わっていたんですね。
なぜ、ピタゴラスが音楽に関わっているんでしょうか?
このズレがあると、一体どうなるのでしょうか?
それは、また次回に。