のあのあ仙人の音楽講座 第8回

第8回 絶対音感があると有利?

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 音を聴いただけで、音程がわかる人がいます。


 ドラマなどで、ドアの閉まる音を聴いて、
「ファのシャープだ!」みたいに言う登場人物は、
 絶対音感を持った音楽家だったりします。

「やっぱり、絶対音感があると音楽するのに有利なんだろうなあ」

 とか、思ったりしませんか?


 3才〜5才ぐらいに訓練すると、絶対音感を身につけることができるそうです。
 音に敏感な子供なら、自然に身につくこともあるようです。

「うわ〜、オレもう25才だよ〜」
 なんて、悲観している君、心配しなくても大丈夫です。

 確かに、絶対音感は音程がすぐわかるので、
 曲の再現をするのには、便利でしょう。

 けれど、弊害もあります。


 普通、絶対音感の基本になっているのは、
「平均律」という調律方法です。

 これは、バッハが採用したと言われる調律方法で、
(そうではない、という説もありますが)
 12の音を平均に調律する方法です。

 ピアノが発明、量産されるとともに、
 現代の音楽のチューニングの標準となっています。


 この平均律の絶対音感を持った人が
 平均律以外の音を聴くと、
 気持ち悪くなることがあるそうです。

 例えば、この人が、
 和楽器などをやろうとすると、悲惨なことになります。

 日本音階は、平均律からずれているからです。
 日本音階だけでなく、民族音楽は、平均律からずれている場合がほとんどなので、
 そういう音楽を志すと、逆に不利になるでしょう。


 それに、絶対音感があることと、
 いい音楽を奏でたり、作ったりすることは、
 ほとんど、別のことです。

 ただ、絶対音感とはいかないでも、
 ある程度、音程がとれることは、訓練すればできますし、
 それは、できた方がいいと思います。


 けれど音楽は、最終的にはセンスです。
 あるいは、誰もやったことがない、聴いたことがない、サウンドを作ることです。


 もし、「平均律」というチューニング方法が、
 まったく新しいものに変わったとしたら、
 絶対音感を持っている人は、
 最先端の音楽から、完全に取り残されることになります。


 なんて、私自身、絶対音感なんてないものですから、
 どうしても、そちら側びいきにの内容になってしまいましたが、
 さて、「平均律」とはどういうものでしょうか?
 なぜ、音楽の最小単位である12音階が、できあがったのでしょうか?

 次回は、そのあたりについて説明してみたいと思います。

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