第43回 オルタード・テンション
今回は、オルタード・テンション(alterd tension)、です。
オルタード(alterd)
というのは、「alter」(「変わる」)の受動態で、
「変えられた」という意味です。
つまり、オルタード・テンションとは、
「変化されたテンション」
ということで、9th、11th 、13th、が変化されたもので、
♭9、♯9、♯11、♭13
の4つの音が、オルタード・テンションになります。
この音をCメジャー・コードで考えてみると、
おっと、全部、黒鍵になりますね。
つまり、オルタード・テンションというのは、
ドレミファソラシドという、ダイアトニック・スケールから外れた音で、
極端な言い方をしてしまえば、
「間違った音」
ということになります。
「外れた音」だけに、普通に使うと単に「間違った音」に聴こえます。
ところが、これらの音が、使い方によっては、
カッコよく響く場合があります。
一般的には、「ジャズっぽい」とか「ジャジーな」
という言い方になるでしょうか?
テンションの発達は、ジャズの発展と密接に結びついていますから、
「オルタード・テンションがジャズの響きの特徴となる」
と言ってもいいと思います。
ところで、オルタード・テンションを見ていて、
「あれ? ♭11と♯13がないんじゃないですか?」
と気づいた人はなかなかするどいですね。
一般的な理論書などでは、
♭11はメジャー3rdと、♯13は7thと同じ音になるから、
と説明されています。
でも、♯9だって、マイナー3rdと同じ音になりますよね。
わかりますか?
それは、オルタード・テンションが使われる場面に関係があるんですが、
この続きは、また次回に。