第39回 五度圏 その2
そもそも、なぜ
「五度圏」
という名前なんでしょうか?
5度というのは、
音楽的には深い意味がある、
ということを、前にも書いたことがあります。
(※第9回「12音階のなぞ」、第17回「完全五度って何?」を参照してください)
ドレミファソラシド
とスケールを上がっていくと、
ドを1度として、ソが5度になります。
例えば、Cメジャー(ハ長調)のキーなら、
Cが1度、Gが5度になります。
Gから始まる、Gメジャー(ト長調)のキーなら、
Gが1度、Dが5度になります。
つまり、この五度圏は、
右回りに、5度づつ上がる表
なのです。
逆に、左に回れば、
5度づつ下がることになります。
5度下というのは、すなわち、
4度上がるということと同じになります。
五度圏は、
右に回れば、5度進行、
左に回れば、4度進行、
という表になります。
私たちが今話題にしている音楽の場合、
5度 → 1度
というのが、最も自然な進行なので、
この表を左回りに進んでいくのが、
和声的には、自然な流れになります。
ただ、時計などは、右回りなので、
パッと見た感じでは、
人は右回りになるのが「自然」と感じます。
なので、和声をコード中心に考えるジャズ理論などでは、
回り方を反対しにした
「四度圏」
という表を使うこともあるようです。