第24回 IIとVの気になる関係
今回は、定番の和音の進行パターンを
ドラマ仕立てで、見ていきましょう。
I → IV →V (7) →I
これは、Key=Cmajor(ハ長調)で言うと、
C → F → G (7) →C
という、曲が終わりに向かう定番パターンです。
こういった進行パターンをカデンツ、
または、ジャズ理論的な言い方では、ケーデンスと言います。
これは、そのカデンツのひとつです。
I 度のコードC は、主人公です。
今回は、主人公を「男」として話を進めて行きます。
V度のコードGは、主人公の彼女です。
そして、IV度のコードFは、主人公の女友達です。
V度に(7)がついているのは、わかりますね?
そうです。7thがつくと、G(彼女)の心が不安定になって、
C(主人公)を求める気持ちが強くなる、
ということでした(第20回参照)。
この流れは、女友達のFがGに
「わたし、あの人が好きなんだけど、
あなたが結ばれるべきなのよ」
と、Gに言って、そうしてGは、Cの元に行く、
そんな、エンディングになるでしょうか。
さて、ここで登場人物を
Fの代わりにDm7を使ってみましょう。
Dm7はFの代理コードとして使えましたね(第22回 参照)?
Dm7だと、男性になります。
彼女(G)の男友達という関係で、
「おまえ、あいつと一緒になれよ」
と 彼女(G)をCの元へ向かわせる、
という展開では、Fの時とほぼ同じなんですが、
彼女の男友達という関係は、
主人公としても気になる存在ではありますよね?
確かに、II度とV度の関係は、
V度を一度として考えると、なんとIIは五度になります。
1と5の関係、それは音楽では深いつながりを意味します。
Dm7の時は、まだいいのですが、
同じ II のコードでも、D7となると話はややこしくなってきます。
D7というのは、なんと彼女(G)の元カレだったからです!
次回、「部分転調」に続きます。