第32回 オン・コード その2
前回に引き続いて、「オン・コード」です。
(1)複雑なコードをシンプルにする
という使い方で、前回は
CM7 を Em onC と考えました。
こう考えると、
「CM7はEmの代理コードとして機能する」
ということがわかります。
つまり、Emのベース音を変えただけなので、
同じメロディーのバックコードとして、使えることになります。
ただギターの場合は、
M7(メジャー・セブン)というフォームがあるので、
CM7 を Em onC と書くと、かえってわかりにくくなります。
なので、一般的なコード表記では、
Em onC は、CM7、あるいは、Cmaj7、C△7 と表します。
Bm7-5
というハーフ・ディミニッシュと呼ばれるm7-5は、
さっと弾きにくいコードですが、
このオン・コードの技を使うと、
Dm on B
と、ずっと簡単になります。
右手はDmで左手は、ベース音のBを弾きます。
キーボード系の人は、コードの横に()して、
こう書いておくと、便利でしょう。
右手を4声にすれば、ジャズ系のテンション・コードも
わかりやすくなります。
例えば、
Am79(エー・マイナー・セブンス・ナインス)
は、CM7 on Aという形に直せますし、
G7-9(ジー・セブン・フラット・ナインス)
というオルタード系のコードも、ディミニッシュ・コードを使い、
Fdim onG
と考えることもできます。
(ディミニッシュ・コードやオルタードについては、
また後にくわしくやります)
特に、曲のアレンジなどをしたいと思っている人は、
こういうオン・コードによる
代理コード的な考え方を憶えておくことをオススメします。