第7回 全部のキーを練習しなければならない?
楽器の奏法の本などを見ると、
ある一つの例のフレーズの譜面があって、
その下に、
「これをすべての調で練習しましょう」
なんて、軽く書いてありますが、
いきなりやる気がなくなったりしませんか?
「そんなことないですよ」
という人は、後は読まなくてもOKですし、
この講座自体あまり意味がないかもしれません。
なんとかラクしてうまくなりたい、
という人だけ読んでくださいね。
鍵盤楽器を弾いていると、
Cメジャー(ハ長調)が一番わかりやすので、
「全部、ハ長調でいいじゃん?」
って思うかもしれないですが、
実は、楽器によって、得意なキー、難しいキーがあります。
例えば、アコースティック・ギターは、
初心者には、Gメジャー(ト長調)
が弾きやすかったり、
エレキギターは、Aメジャー(イ長調)や
Eメジャー(ホ長調)
が、弾きやすかったりします。
管楽器などは、
E♭メジャー(変ホ長調)や
B♭メジャー(変ロ長調)
などのキーが、やりやすかったりします。
なので、ギター中心のロック系は、
♯系のキーの曲が多く、
管楽器中心に発達して来たジャズなどは、
♭系のキーの曲が多いんですね。
結局、みんな楽なキーを選んでるわけです。
自分の得意なキーがある、というのも大事です。
このキーなら、すごいソロがとれる、とか、
なんとかアドリブができるとか。
どんなわがままな歌手のキーチェンジにも応えられるという、
職人的なバックミュージシャンを目指す人は、
すべてのキーを練習すべきでしょうが、
名プレイヤーは、どちらかといえば、得意なことをつきつめた人が多いと思います。
「しなければならない」
と思った時点で、もう音楽は楽しめないものです。
「したいこと」を積み重ねていく。
結局、その方が長く続けられるし、良い演奏につながるような気がします。