第27回 Amを使ったコード進行
今回は、実際によく使われる
Am を使ったコード進行を見ていきましょう。
Am という登場人物が入るだけで、
物語はぐっと広がっていきます。
(A) C → F → G → Am → F → G (7) → C
(B) C → F → E (7) → Am → F → G (7) → C
(A)は、F → G → C とくり返すところを
Am とC 交互に使う流れで、サビなどで、
F → G → Am → F → G → C
と、くり返しても、変化がついて、
単調になることを避けられます。
F → G → Am
のみをくり返す進行も、
ロック系の曲でよく見られます。
(B)は、セカンダリー・ドミナント(副五度)を使った部分転調の進行で、
一時的に、Aマイナー(イ短調)の世界にシフトします。
けれど、Cメジャー(ハ長調)とAマイナー(イ短調)は、
前回、言ったように、調号が同じという非常に近いキーなので、
自然な響きで、非常によく使われる進行です。
(C)C → Am → F → G
1645、「黄金の循環コード」とも呼ばれる進行で、
ポップスの王道的な流れです。
※循環コードとは、何度もくり返すことができるコード進行のパターンです。
例(C)では、これをくり返し最後にCで終わることができます。
「ダイアナ/ポール・アンカ」
「プリーズ・ミスター・ポストマン/ビートルズ」
「夢の中へ/井上陽水」
など、1950年代〜60年代の曲で、
この進行がメインの曲は数多くあります。
最近では、
「おどるポンポコリン/B.B クイーンズ」
「キスしてほしい/ブルー・ハーツ」
などが、あります。
(D)C → G → Am → F → G(7) → C
(E)C → G/B → Am → C/G → F → G(7) → C
C → G → Am という進行も、
「レット・イット・ビー/ビートルズ」
を始めとして、よく出てくる進行です。
ベース音を、C → B → A → G → F、
つまり、ド→シ→ラ→ソ→ファ、と
コードトーンでつないで順番に降りていく
「順次進行」という形(E)は、
古くは、
「パッヘルベルのカノン」
「バッハのG 線上のアリア」
から、現代でも、ポップスのコード進行としては、
「M/プリンセス・プリンセス」
「クリスマス・イブ/山下達郎」
を始めとして、本当に、書ききれないほど
ひんぱんに使われているコード進行です。
それぞれのコード進行をキーボード、ギターなどで奏でて、
実際に、その響きを味わってみてください。