第28回 メジャー・コードとマイナー・コード
さて今まで、ダイアトニックスケールコードについて、説明してきました。
ダイアトニックスケール・コード、というのは、
あるキーで出てくる基本のコードです。
ドラマでいうと、主な登場人物ということになります。
例えば、Cmajor key(シー・メジャー・キー)ならば、
C Dm Em F G Am Bm♭5
が三声のダイアトニックスケール・コードです。
と、ここまで書いて、そういえば、
メジャー・コードとマイナー・コードの違いについて、
まだ、ちゃんと書いていないことに気がつきました。
今回は、第16回「コードはどうやってできている?」と
第17回「完全五度って何?」の続きの回になります。
完全一度(つまり、同じ音)
完全五度(ドから言えばソの音)
完全八度(オクターブ上の同じ音)
ということを、第16回、第17回でやったわけですが、
そこに、三度の音が入ることによって、
一番基本の三声でできているトライアードと呼ばれる
コードができるわけです。
三度には、「長三度」と「短三度」があります。
「完全三度は、ないんですか?」
という質問がきそうですが、
完全五度を積み上げてできた12音階の問題「ピタゴラスコンマ」を、
少しずつピッチをずらしたチューニング方法「平均律」で解決しているのが、
今の音楽の基礎になっている、ということで、「完全三度」はとは言わないんですね。
(「純正調」というチューニング方法では、「完全三度」は出てきます。
第10回「数学と音楽」を、参考にしてください。)
おっと、話がややこしくなってきましたが、大丈夫ですか?
さて、三度でも「長三度」「短三度」のふたつがありますが、
この違いは何でしょう?
「長三度」は、一度の音(ルート音)から、半音で4つ進む。
「短三度」は、 一度の音(ルート音)から、半音で3つ進む。
つまり、
「長三度」なら、メジャー・コード
(※メジャー・コードの場合、単にC「シー」のように言う場合がほとんどです。)
「短三度」なら、マイナー・コード
ということになります。
完全五度は、7半音進んだところにありますから、
例えば、F♯m(エフ・シャープ・マイナー)というコードなら、
ルートは、F♯、つまり、ファの半音上になりますから、
そこから、半音3つ進んだ音(短三度)と半音7つ進んだ音(完全五度)を
加えていけば、F♯m というコードの基本形になります。
短三度、を半音上げて、長三度にすれば、F♯ の基本形になるわけです。
メジャー・コードとマイナー・コードは、
聴き比べてみると一般的にマイナー・コードの方が暗く、
メジャー・コードの方が明るく感じられる、と言われています。
なぜ「明るい」とか「暗い」とか感じられるのか、
実は、よくわかっていないそうです。不思議ですね。