第35回 オン・コード その5
さて、「オン・コード」今回でラストです。
オン・コードは、曲イントロ、曲中など、
変化をつけるアレンジにはもってこいですから、
使いこなせるように、がんばりましょう。
(4)「コードに違う性格をつける」
とは、どういうことでしょうか?
曲の終わり方は、大きく分けて2種類になります。
G→C
V度のドミナントから、I度のトニックへ進む、
西洋音楽、クラシックを元にした典型的な曲の終わり方です。
そして、もうひとつ、
F→C
IV度のサブドミナントから、I度のトニックでの終わり方。
これを、変終止、と言います。
変終止は、「アーメン終止」とも言われ、
(つまり、教会の賛美歌の最後などで「ア〜メン」と言う時の響きです)
おだやかな進行が特徴です。
F/G、または、F onG(FオンG)
つまり、ベース音はGで、その上にF(ファラド)が乗っかっているコード、
これは、ドミナントとサブドミナントを合わせたような性格になります。
コードのキャラクターでいうと、
Fは、異性の友達、
Gは、恋人
でしたね?
なので、F/G は、
「友達のような恋人」
というキャラクターになるでしょうか・・
つまり、サブドミナントのFに、
ドミナントの性格がつけられたことになります。
そういうキャラなので、それを受け止めるCの方も、
F/G → CM7
と、トニック的な性質を弱めた、
M7(メジャー・セブン)が相性がいいようです。
ユーミン以降、最近のJ-POPでは、もうあたり前に使われていますが、
ドミナント・モーション(曲の終わる流れ)で、
このF/Gを使うと、曲が「オシャレ」な感じになります。
ドミナント(支配的な)のキツサがやわらぎます。
これは、F/Gでは、シ→ドで落ち着く、
「導音」と言われる「シ」の音がないからなんですね。
Fの代理コードとして、Dm7を使って、
Dm7/G → CM7
というのも、同じような感じになります。
「ドミナントは作曲家の顔である」
という言葉もあるように、
ドミナント・モーションをどういうコードでいくかというのは、
曲のイメージを決定します。
F/Gを使うことによって、
曲のイメージが大きく変わるんですね。