第11回 マイナーはひとつじゃない!?
「ふられた時には、マイナー調の曲を聴いて、
どっぷり、ひたればいいのさ」
こんな慰め、聞いたことないですか?
ドレミファソラシド
という、メジャー・スケール(長調)に対して、
ラシドレミファソラ
という、マイナー・スケール(短調)があります。
つまり、ドレミファソラシドの6つ目の
「ラ」の音から始めれば、マイナー・スケールになるわけです。
実は、これ、正確に言えば、ナチュラル・マイナー・スケールと言って、
マイナー・スケールには、他に2つのスケールがあります。
ソの音が#(シャープ、つまり半音上がる)した、
ハーモニック・マイナー・スケール、と
ファとソの音が#(シャープ)した、
メロディック・マイナー・スケール、です。
※メロディック・マイナー・スケールでは、下りはナチュラル・マイナー・スケールになるのが普通です。
「メジャー(major)」には、「大きい」、「主要な」、「重要な」などの意味があり、
メジャー・デビューやメジャー・リーグなどの言葉もあって、
なんだか、メジャー・スケールがメインのような感じがします。
対して、「マイナー(minor)」といえば、
売れてない、とか、一般的でない、などのマイナス・イメージがあって、
メジャー・スケールから変化したオマケのような感じがします。
メジャーとマイナーを聞き比べてみると、
メジャーは明るい感じで、
マイナーは暗い感じがしませんか?
けれど、ロック系などでは、
マイナーの曲が多く、
ダンス系の曲もマイナーの曲が多いように思います。
マイナーには、
「暗い」というイメージの他に、
力強さのようなものがあります。
脳の古い皮質の部分に語りかけてくるような、
そんなパワー感をマイナーは持っているような気がします。
それに、メジャー・スケールは、1つですが、
マイナー・スケールは3つあります。
実は、マイナーが先にあって、
それから、メジャーができたのではないかと思うのです。
民族音楽も、マイナー・スケールでできているものが多いですからね。
次回は、スケールというものが、どうやってできてきたかを、
考えてみたいと思います。