第5回 ドが動く!?
「ド」は動くことがあります。
もちろん「ド」だけじゃなく、
「ドレミファソラシ」、みんな動くことがあります。
「そんなぁ、ドレミにうろうろされると、弾きにくくてこまります〜」
「じゃあ、動かさないでいきましょうか?」
「え? そんなこともできるんですか〜?」
「ドレミ」が動くって、どういうことでしょう。
それは、KEY(キー)が、鍵です。
キーが鍵(キー)って、シャレみたいですが、シャレじゃありません。
KEYには「調」という意味もあります。
試しに、この番号順に鍵盤を弾いてください。
さらに、こう弾いてみてください。
両方とも、ドレミファソラシドになっているのが、分かりますか?
これが、「調」です。
最初の、G(ト)の鍵盤から始まるドレミ〜♪ を、
英語で、KEY=G major(ジー・メジャー・キー)
日本語で、ト長調、と言います。
次の、F(ヘ)の鍵盤から始まるのは、
KEY=F major(エフ・メジャー・キー)、
へ長調、です。
※どちらもミとファ(3と4)の間、シとド(7と8)の間が半音になっているところに注目!
ドレミファソラシドは、ひとつではない、ということ。
つまり「ド」は移動するということです。
こういう読み方を「移動ド」と言います。
CDE〜♪ も一緒に移動するかと言えば、移動しないんですね。
ドレミファソラシを階名、CDEFGABを音名と言って、
階名は調が変わると移動しますが、音名は移動しないんですね。
けれど、これはキーを変える、つまり「転調」という知識がなければ、
「え? 今度は、ドが、ここなんですか〜?」
ということになるので、初心者にはわかりにくい。
なので「ドはずっと、Cの位置でいいじゃない?」
ということで、動かない場合もあるんですね。
この読み方を「固定ド」と言います。
動く「ド」と動かない「ド」
どっちがいいのか、結局、わからないようです。
一般的には、「固定ド」、つまり動かない「ド」の方が、
よく使われているようですね。
でも、時と場合によって、使い分けるのがいいと思います。