第44回 ドミナント・セブンス
今回は、オルタード・テンションを語る上ではさけて通れない、
ドミナント・セブンス・コード
についての説明です。
オルタードテンションというのは、
ある意味、「間違った音」です。
「間違った音」
これだとミもフタもない言い方なので、
別の言い方をで言えば、
「超不安定な音」
ということになります。
つまり、オルタード・テンションは、
「不安定なところ」
で使ってやれば、その不安定さを強めて、
スリリングな響きを出すことができます。
オルタード・テンションが最も活きるわけです。
「不安定」
といえば、
ドミナント
ですね? おぼえてますか?
→参考 第19回「音楽というドラマの主役たち~ダイアトニックスケールコード2」
第20回「7th(セブンス)」
5度上のコード(ドミナント)から1度(トニック)へと進む動き。
これを、
ドミナント・モーション(dominant motion)
と、言います。
日本語で言うと「支配的な動き」という意味です。
例えば、Cメジャー・キー(ハ長調)で言うと、
G → C
になります。
そして、ドミナントであるGに7thをつけて、
不安定な感じを強くする場合がよくあります。
G7 → C
ドミナントのコードの不安定感が強くなることによって、
このコードの結びつきがさらに強くなることになります。
このような5度上のコード(ドミナント)に7thをつけたものを
ドミナント・セブンス
と、言います。
(単に「ドミナント」と言う場合も7thが入ることが普通です)
例えば、Cメジャー(ハ長調)の曲での「ドミナント・セブンス」は、
G7になります。
例えば、Fメジャー(ト長調)の曲での「ドミナント・セブンス」は、
C7になります。
まとめてみましょう。
G7 → C
A♭7 → D♭
A7 → D
B♭7 → E♭
B7 → E
C7 → F
D♭7 → G♭ または、C♯7 → F♯
D7 → G
E♭7 → A♭
E7 → A
F7 → B♭
F♯7 → B
オルタード・テンションは、
このドミナント・セブンスの上に使うことによって、
その不安定な性質を活かすことができます。