第25回 部分転調 〜過去の世界のフィードバック!?〜
D7がGの元カレ!?
それは、どういうことなのでしょうか?
音楽には、12のキーがある、という話、憶えてますか?
メジャー マイナー
C Am
D♭ B♭m
D Bm
E♭ Cm
E Bm
F Dm
F♯(G♭) D♭m
G Em
A♭ Fm
A F♯m
B♭ Gm
B G♯m
それぞれに、マイナー・キーも存在するので、
全部で、24の主人公が存在する世界があるということです。
つまり、Key=C major(ハ長調)の登場人物である
C Dm Em F G Am
の、C以外のそれぞれが、
主人公の世界があるということです。
この世界には本当は時間というものはないんですが、
ここでは、仮にそれを「過去」としましょう。
つまり、Gが主人公であった過去には、
Dが恋人だったわけなんですね。
曲というドラマの中では、
そんな「過去」の世界の「元カレ」や「元カノ」が登場して、
ドラマに緊迫感を与えることがあります。
そんな、「元カレ」や「元カノ」のことを
音楽理論では、
セカンダリー・ドミナント、または、副五度
と言い、こういう一時的に、過去にフラッシュバックして、
違うキー(世界)に一時的に行くことを、
部分転調
と言います。
「セカンダリー(secondary)」は、「第二の」という意味ですが、
第一のドミナント・モーションは、
もうわかりますよね?
G7 → C
という、彼女が主人公と結ばれる王道パターンです。
つまり、D がいくら7thをつけて G に
「よりを戻そうよ」とせまっても、
この Key=C major(ハ長調)の世界では、
G は、結局、Cの元へと行くのです。
でも、かなりの緊迫感が生まれましたね?
それが、部分転調の効果なのです。
さてさて、他の登場人物のみなんさは、
どんな相手との過去の恋愛があるのでしょうか?
ちょっと、週刊誌的になりますが、
次回は、そんな気になるみなさんの過去を見ていきたいと思います。