第19回 音楽というドラマの主役たち 〜ダイアトニックスケールコード その2〜
前回、Key=C major (ハ長調)では、
I 度の C が主人公であり、
V 度の G がその相手役である恋人、
ということを言いました。
今回は、4番目のコード(IV度)である F の紹介です。
F は、配役でいうと、主人公の異性の友達です。
もし、主人公 C を男性とするなら、
この友人 F は、女性の友達ということになります。
ドラマでは、
主人公とその恋人が結ばれたり、
そして、また行き違いで別れたりしながら、
最後は、また結ばれて終わるように、
音楽もまた、
同じように最後は、
主人公と恋人が結ばれて終わるのが普通です。
音楽では、
G(恋人)→ C(主人公)
という、恋人が主人公を求める流れで終わります。
恋人がこの主人公を独占したい、支配したい
という気持ちが、この流れの中にあります。
このような、V度からI度に行く動きを
音楽理論では、
ドミナント・モーション(支配的な動き)
と言います。
音楽では、この5から1に行くというのが、
最も、強い、自然な流れであると言えると思います。
けれど、たまには、恋人とは結ばれず、
悩みなんかを自然に打ち明けられる友達と
くっついちゃくことなんてこともありますね。
なので、
F(友達)→ C(主人公)
という終わり方(変終止)もあります。
こちらの方がおだやかな終わり方という感じがしませんか?
次のように弾いて、それぞれの響きを味わってみましょう。
※C→G→Cは「起立、礼、着席」、
C→F→Cは教会などで「アーメン」と言う時に、
それぞれ使われます。
そして、この C G F という三つのコードが、
スリー・コードという
曲の中で中心的な役割を果たしていきます。
例えば、童謡のようなシンプルな構成ならば、
この3つのコードだけで成り立つ曲たくさんあります。
曲を作るための最小限のコードと言ってもいいかもしれません。
次回は、7th(セブンス)についてお話します。