のあのあ仙人の音楽講座 第17回

第17回 完全五度って何?

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 前回は、八度、つまりオクターブの話をしましたが、
 今回は、完全五度です。

 こんなにのんびり進んでいくコード解説はそうないと思いますが、
 まあ、ゆっくりつきあってください。

 以前、一般的に言う「音楽」は、クラシックを基にした
 西洋音楽で、ドレミファソラシドがその基本にある
 というようなことを言いましたが、
 この何度という数え方は、
 やっぱりそのメジャースケールからきています。

 なので、完全五度は、

 ド(一) レ(二) ミ(三) ファ(四) ソ(五)

 と、つまり、「ソ」の音が五度になるわけです。


 そして、「第10回 数学と音楽」でもふれた
 ピタゴラス・カンマのというズレのためにできた
 平均率という調律法のために、「完全」という響きなるのは、
 一度(同じ音)と、オクターブ、そして、この五度になるわけです。

 そして、四度(ファ)も完全四度といいますが、
 ファから見れば、ドの音は五度になるので、
 音の開き具合は同じということになります。

 そして、この完全五度の音ですが、
 半音で言うと、ドの音から7つめになります。
(半音の数は次の音から数えるので、度数の数え方と混同しないでください)


 まずは、この五度の音がサッとでてくるのが理想です。

 三度の音の違いによって、マイナーかメジャーが決まるわけですから、
 この一度と五度だけの響きはメジャーかマイナーか、
 あるいは、どちらでもある、ような響きになります。

 ひずみ系のギターやオルガンでは、
 三度を入れると音がグチャとつぶれてしまうので、
 パワーコード、という名前で、使われることが多い響きです。

 ピアノなどの低音部でも
 三度を入れると音の響きがにごるので、
 左手のハーモニーでよく使われます。


 時に、メジャーかマイナーか
 あいまいに曲を終わらせたい場合も

 例えば、

  C omit3

 のように、三度をオミットする(省く)というように、
 コードで指定することもあります。


 五度の音は、一度の反対の性格を持つ
 ドミナント・コードのルートになる音です。
(ドミナントに関しては、後にまた解説します)

 つまり、コードの基本には、
 その反対の性質を持つ音を内包しているという、
 まるで、対極図のような、
 あるいは、
 ユングでいう男性の中の女性、女性の中の男性である
 アニマ・アニムスのような、
 そんな深〜い、何かがあるような気がします。


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