いわさきあきらの音楽講座 第40回

第40回 ツー・ファイブ

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 さて、五度圏についての途中ですが、
 ここで、五度圏を理解する上で、
 ぜひとも、おさえておきたいキー・ワードがあります。

  ツー・ファイブ

 です。


 その名前の通り、


  2と5

  IIm7とV7


 なんですが、ここでは、トニック・コードからの
 2度と5度のコードのことをさします。

  トニック・コード

 というのは、もうわかりますね?

 そのキーの調性を決めるコードで、
 1度のコードのことですね。

 例えば、キーがC(key=Cmajor)、つまり、ハ長調のときは、

  C

 が、トニック・コードになります。

 ということは、この時の「ツー・ファイブ」は、


  Dm7 G7

 ということになります。

 ※「ツー・ファイブ」では、普通、7th、さらに、9thなど
 が使われます。


 この「ツー・ファイブ」、
 G7から見ると、Dm7は、5度上のコードになります。


 これにトニック・コードを連結すると、


  Dm7 →(5度下)→ G7 →(5度下)→C(maj7)


 という、5度でつながる、
 カデンツ(終止形、ケーデンスとも言う)ができあがります。


 音楽では、5度の結びつきがなにより強いものですから、
 これは、とても自然なコードの流れに感じられます。


 さらに、「ツー・ファイブ」は、このふたつのコードのみを
 循環コードのようにくり返すこともできます。

  Dm7 G7 Dm7 G7 ・・・

 キャロル・キングの「It's too late」のイントロ部分は、
 このツー・ファイブ進行を使った名曲です。


 この「ツー・ファイブ」だけで、
 曲が完結する、
 つまり、1つの世界を作ることができる、
 という進行でもあります。


 その連結力の強さ、あるいは、完結性を活かして、
 突然の部分転調などにも使われます。

 ※このへんの説明に関しては、またあらためて。


 次回は、五度圏を使って、
「ツー・ファイブ」を考えてみたいと思います。

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